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税理士コラム

本質的な贈与税の軽減ではないのでは?

UPDATE : 2011/12/17 節税

こんにちは、福田税理士事務所の福田です。

今朝新聞で、"相続税増税・明記へ"という記事を読んでいたんですが、どうも違和感を感じました。

要約すると、以下のような流れです。


【1.概要】

(1)相続税の課税対象者は、現在死亡した者のうち4%程度であるが、これを6%程度に広げ、税収を1.3~1.4兆円に増やす。

(2)相続税の増税を増やす一方、贈与税の非課税について、以下のとおりに、高齢者が生前贈与しやすい環境をつくる。

 ①親が子に贈与する場合の非課税枠を広げる

 ②非課税の対象に孫を加える。


【2.違和感を感じることとは!?】

 私が違和感を感じるのは、上記1(2)です。

 なぜ違和感を感じるか、簡単に説明します。

【3.単なる先送りでは!?】

 生前贈与に関する課税の方法は、ご存じの方も多いでしょうが、以下の2通りとなっています。

 (1)生前に贈与した財産について、贈与税を課税することで納税が完結し、相続発生時には影響を及ぼさない方法(暦年課税と呼ばれます)

 (2)生前に贈与した財産について、贈与時に税金を暫定的に納付するが、相続発生時には、その財産も含めて相続税が課税される方法(精算課税と呼ばれます)


 上記1(2)で言及している"非課税"は、文章の流れからは、3(2)の話と予測できます。

 つまり"税金をかけない"のではなく、"税金をかける時期を先延ばしにするから、先に財産を移転して、その移転を受けた人が、そのお金を使って、経済を活性化させてね"という感じを受けます。

 使ってしまっても、相続税がかかりますから、もらった方が使ってしまったら、相続破産にもなりかねません。

 


 確かに、贈与税をかけないということであれば、相続税の税収が減るはずなので、文章の全体像からみると明らかかもしれません。


 ここで、デメリットばかり述べましたが、この非課税枠が増えることによる良い点として、次の3つが該当します。


【メリットその1・相続税が係らない人が財産の移転を受ける場合】

【メリットその2・相続発生時に価値が上昇することが確実な財産を贈与する場合】

【メリットその3・収益力の高い財産を贈与する場合】


・・・今の世の中の流れをみると、価値が減少し、収益力が減少するものばかりに思えますので、メリット2,3についてはほとんど無いような気もします。どうなんでしょうか?

 まだ方向性が決まっていないので、今後さらに使い勝手が良い流れになることを期待します。

 ところで、課税の仕組みについては別として、この方向性は、以前読んだデフレの正体で書かれている内容と似通っていると思いました。


デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)/藻谷 浩介

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 お金の流れが良くならないと、経済は良くなりませんしね

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