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税理士コラム
連年贈与の指摘を受けることはほとんどない!?
富山県富山市の福田税理士事務所の税理士の福田です。
贈与をするに当たって、連年贈与、つまり"毎年同じ時期に同じ金額の贈与をし続けると贈与開始の時に遡って贈与税が課税される"という心配をされる方もいらっしゃるかと思います。
これについては、国税庁のHPにもその旨の記載がありますので、ご心配されるものと思います。
そこで、連年贈与の問題について少し考えてみることにします。
【国税庁のHPの真意とは!?】
国税庁のHPの文章をじっくりとみてみると、質問の文章は"毎年、子に100万円ずつ10年間にわたって贈与することとしましたが"となっています。
これを事例っぽくで言い換えてみると、"平成25年9月6日に、平成25年から平成34年までにかけて10年間に渡って贈与することに決めた"と言えるかと思います。
つまり、"平成25年9月6日に、今後10年間贈与することに決めた"という言い回しになっています。
これをさらに言い換えると、"平成25年9月6日に、1,000万円を毎年100万円ずつ今後10年間に分割して支払う有期定期金の権利を贈与する契約をすることに決めた"ということになります。
【税務調査時での調査官の立場にたってみると】
こんどは、国税庁HPの表現とは異なり、毎年の判断で、10年間に渡り、毎年100万円ずつ贈与してきた場合について考えてみます。
このケースでは、連年贈与と指摘するには、税務調査時に調査官の方が立証する必要があります。
こうなると、状況証拠などで"平成25年9月6日に、1,000万円を毎年100万円ずつ今後10年間に分割して支払う有期定期金の権利を贈与する契約をすることに決めた"というようなものが出てれば、簡単に立証できるでしょうが、そうでなければ、立証が難しいかと思います。
あと、この指摘を贈与が終了した平成34年に受けたとすると、平成25年については時効により課税権が消滅しているという問題も出てくるかと思います。
【昭和49年までは相続税法で連年贈与は課税されていた!?】
先日の研修会で聞いた話なのですが、昭和33年から昭和49年(私の生まれる昭和51年の、さらに2年前のことで、当時のことは良く分かりません)までは、連年贈与が課税されていたようです。
正確には、3年以内に同一人から贈与を受けた場合には、3年分まとめて課税されていたようです。
もちろん、現行の相続税法では、このような規定はありませんので、このような課税もありません。
【いろいろと考えてみましたが】
連年贈与としての課税リスクは極めて低いのではないのかな~と思います。
むしろ、贈与そのものが無効ではないかという指摘に注意が必要かな~と思います。
これについては、贈与した財産が受贈者に帰属しているかどうかについて、きめ細かく考えていくことが必要です。
ところで、昭和49年まで存在した、連年贈与の課税に関する条文は、当時の税理士試験でとても頻繁に出題されていたようです。
ということは、いろいろ問題があったんでしょうかね~と、一人で想像してみました。
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