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税理士コラム
消費税率上昇時には5%の請求書なのに8%の税額控除になる場合がある!?
富山県富山市の福田税理士事務所の福田です。
平成26年4月1日以降において、消費税率が上昇することになりますが、これを巡って、実務的には対応に苦慮されているかと思います。
価格の表示や請求書発行から帳簿の作成まで、多岐にわたって対応が必要のため、経営者の方々にとっては、日常業務のみでも大変なのに、負荷が重くなっているかと思います。
税率上昇に向けての対応の中で、今後は様々な問題が出てくるかと思いますが、税理士事務所として、少しでも経営者の皆様の負荷を軽く出来るように頑張りたいと思っています。
ところで、4/1前後においては、消費税率5%の請求書が来たのに、8%の税額控除になるという矛盾が生じる可能性があるのではないでしょうか?
【消費税率の適用に当たっての原理原則とは!?】
5%か8%のどちらの税率が適用されるかを考えるに当たって、全てに共通するのは、"その取引がいつ行われたのか"ということになります。(国税通則法15条2項7号に課税資産の譲渡等をした時と規定されています)
例えば、物品の販売のケースでは、"その引渡しのあった日"において取引が行われたことになります。
そうすると、"その引渡しのあった日がいつなのか"が問題となるのですが、"出荷段階で"引渡しがあった"を考えるケースもあれば、"いやいや、欠陥がないか確かめないと、引渡しがあったとは認められんね"というケースもあるかと思います。
で、この引渡しの日については、"種類及び性質、その販売に係る契約の内容等に応じてその引渡しの日として合理的であると認められる日のうち、事業者が継続して譲渡を行ったこととしている日"とされています。
そうすると、"その引渡のあった日がいつなのか"について、売主と買主で異なるケースが出てくる可能性があります。
【例えば】
売主側では3/31に引渡があった、買主側では4/2に引渡があった、としているケースがあるとします。
この場合、適用される消費税率は、売主側基準では5%、買主側基準では8%となります。
なんだか違和感を感じますね~
【問題点の検証】
国税通則法において、納税義務の成立が"資産の譲渡等をした時"と規定されています。
また、法律ではありませんが、国税庁が公表している通達においても、"その引渡しのあった日"としています。
これらのことから、違和感を感じますが、現行の情報からはこのような解釈になると考えられます。
法律家の観点からは、日本の消費税の法体系に問題があるとの声もあるようです。
つまり、法律に問題があるため、このようなおかしなことになるようです。
(欧州では、日本の消費税に相当する付加価値税のルールが異なるため、このような問題がおきないようですが、それはそれで別の問題があるようで、そう簡単にはどちらが良いかは判断できないようです。)
【問題があるとすれば】
これを利用して、租税回避行為に該当すると認定された場合には、もちろん問題が出てきます。
ただ、継続適用の結果生じたものであれば、大きな問題にはならないのではないかとの声を数多く聞きます。
できれば、国税庁の質疑応答集等で何らかの情報提供があれば助かるので、今後の動向に注目したいと思います。
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