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税理士コラム
保証人がいる場合に貸倒損失として計上できるかどうかの基準とは!?
富山県富山市の福田税理士事務所の福田です。
売上代金の入金がなかなか進まない場合には、会社の資金繰りにも良くありませんので、早めに回収したいところです。
もちろん、取引開始にあたり、取引条件など自社内でルールを設けているかと思いますが、現実的には難しい部分もあるかと思います。
また、大企業とは異なり、中小企業にとっては、感情的な部分でも、回収できないと気が収まらない・・・という方も多いかと思います。
ただ、取引に至った背景や会社の状況などにもよりますが、回収不能と判断した場合には、取引先に対して一定の対応をした後に、売掛金を貸倒損失ということで処理するということも考える必要があるかと思います。
過去のことを引きずるよりも、前向きに対処した方が、会社全体にも良い影響を及ぼすとも考えられますが、いかがでしょうか~
この時に、資金繰りのことなどを考えると、税金の計算上も貸倒損失として認定されるように処理することが重要です。
【税金の計算上も貸倒損失として認定されるためには!?】
税務調査時に、売掛金などの貸倒損失についてのトラブルを避けるには、法人税法基本通達に定める要件を満たしておいた方がよいです。
この要件については大きく分けて3つありますが、その中の一つに、"債務者の資産状況、支払能力等からみてその全額が回収できないことが明らかになった場合"というものがあります。
これについては、昭和41年までは、"破産・和議・強制執行・資産の整理・死亡・行方不明・債務超過、天災事故・経済事情の急変等の事実発生"ということが要件だったようですが、この基準が厳格すぎるきらいがあり、税務調査時のトラブルが続出したため、"債務者の資産状況、支払能力等"に変わったようです。
もちろん、事実の立証に困難な部分はありますが、税務署側の立ち位置が、以前より少し弱まったということは間違いないかと思います。
ただし、"債務者の資産状況、支払能力等からみてその全額が回収できないことが明らかになった場合"を立証できたとしても、債務保証がある場合には、その保証人からも回収できないことが明らかでないと、税務調査時にトラブルになることが考えられます。
【保証人から回収できないことが明らかかどうかの判断基準は!?】
これについては、国税庁のHPに、参考資料が明示されています。
詳細は国税庁HPをご覧いただければ明らかですが、"生活保護と同程度の収入しかなく、差押禁止財産程度しか資産を有していない"ということであれば、保証債務の履行を求めていない場合であっても、保証人から回収できないものとして取り扱うことができるようです。
法的に債権が消滅していない場合には、売掛債権等のみに認められた通達と、この通達を上手く活用して、経営者の皆様におかれましては、前向きに経営のかじ取りをして頂ければと思います。
【ところで】
これらの内容については、平成24年11月に国税庁の質疑応答集で明示されましたが、従来までの一般論よりも、貸倒損失の取扱いが幅広くなったような印象を受けます。
国税庁の内部で、変化があったのかな~とも感じたりしました。
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