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税理士コラム
贈与した場合の税金についてかんたんに考えてみる その5・相続時精算課税と節税
贈与した場合の税金についてかんたんに考えてみる・その1はこちら
贈与した場合の税金についてかんたんに考えてみる その2・暦年課税のしくみはこちら
贈与した場合の税金についてかんたんに考えてみる その3・暦年課税と節税はこちら
贈与した場合の税金についてかんたんに考えてみる その4・相続時精算課税のしくみはこちら
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富山県富山市の福田税理士事務所の税理士の福田です。
前回は、相続時精算課税制度のしくみについて書いてみました。
今回は、贈与した場合の税金の2種類の計算方法のうち、相続時精算課税の活用事例について考えてみたいと思います。
【相続時精算課税のメリットその1・財産の価格の上昇時に有利】
財産の価値が1,000,000円のものを贈与したとします。
この財産が、相続発生時には、5,000,000円の価値になっていたとします。
この場合には、相続税の計算をする場合において、この財産の評価額は、相続時の価値である"5,000,000円"ではなく、贈与時の価値である"1,000,000円"として、相続税が計算されます。
つまり、相続税の計算をする場合においては、生前贈与しなかった場合と比較して、"贈与時と相続時の差額の4,000,000円"が有利になります。
ただし、次の観点からリスクを考えることが重要です。
・値上がりすることを前提とすること
・もらった財産が、もらった人の故意過失によらないで滅失等した場合においても、相続財産に加算される
【相続時精算課税のメリットその2・高収益の賃貸不動産物件に有利】
賃貸不動産を所有している場合には、家賃収入が発生します。
家賃収入から、諸経費や税金を差し引いて、年間500万円が残るとします。
このお金を10年間全く使わなかった場合には、5,000万円のお金が残ります。
5,000万円のお金が残った時点で、相続が発生した場合には、5,000万円に対して、相続税が発生します。
一方、この賃貸不動産を10年前に贈与していたとします。
その場合には、相続が発生した場合においても、5,000万円は、被相続人ではなく、既に相続人の手許にあるため、相続税が課税されないことになります。
ただし、次の観点からリスクを考えることが重要です。
・相続人に対して、お金の教育をしておくこと
・もらった財産が値下がりすること
・もらった財産が、もらった人の故意過失によらないで滅失等した場合においても、相続財産に加算される
以上、相続税対策の観点から、相続時精算課税のメリットについて考えてみました。
メリットもありますが、リスクも大きいと考えられます。
一方、相続時精算課税については、税対策以外の側面からのメリットが多いと言われています。
次回はそれについて考えてみたいと思います。
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